■ - Vol17. 人生最後の日 -

さて、とうとうクアラルンプール行きのバスの時間がやってきて、 CienやLucinたちとお別れする こととなった。
住所を交換しあい、また遊びに来ることを約束して別れを告げた。
みんなクアラルンプールに夜中着くことをとても心配していた。
Lucinが言うには、マラッカはまだ田舎だから、そんなに治安は悪くないけれど、 クアラルンプールはすごく犯罪も多くて治安もよくないとのこと。

夜一人で歩くのは危険だから、本当に気をつけるようにと念を押された。
みんなの心配をふりきってバスへ乗ってみたものの、Lucinの話を聞いて、クアラルンプール がめちゃめちゃ怖い街に思えてきた。
なにしろ、東南アジア初体験なので、知っているのは映画やTVで見た世界のみ。
拳銃の密売をしているマレーシアンマフィアに両腕をつかまれ、売られて殺される かもしれないというのが真っ先に頭に浮かんだ。

恐ろしい東南アジアのマフィアたちが横行する夜の街へ向かうバスの中で、今日が「人生最後の日」 だと思った。
人生最後の日というのはこんなにも突然やってきて、あっけないものかと 思った。
不思議な感じだった。
マラッカで現地の人と仲良くなってとてもいい旅ができたと 思っていたが、それが最後の日とは。。。
もう私の中では、もはやクアラルンプールに着いて生き残れる可能性はないと思っていた。 バスはどんどん暗闇の中へ向かって走っていた。

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