■ - Vol19. 東南アジアの危険な夜 -

とうとう夜中のクアラルンプールの街へ着いてしまった。
しかも、道路の途中みたいなとこが終点だったので、ますますあせった。
なにしろ、いつも「まあ、とりあえず行ってみてわかんなかったら、人に聞けばいいや」 と自分で調べず、人を当てにしてきた人間なので、案の定どこにいるのかよくわかってない。

クアラルンプール行き=街の中心行き、という認識しかない状態。
とりあえず、バスを降りてみんなが歩いていく方向に着いて行った。
すると、駅が見えてきてガヤガヤとにぎやかな感じの通りに着いた。
通りには 映画にでてくる東南アジア系のマフィア役みたいな顔がいっぱいで、目をギロギロ させている。
そして、みな近づいてきて“Taxi, Taxi”と私に言ってくる。
タクシーに乗せられて、マフィアに売られるに違いないと思いながら、無視して 足早に歩いた。

ああ、撃たれる、撃たれる。。。と冷や汗どっしゃりで通りを 渡りきったとき、「バックパッカー」という看板が見えた。
もはやわたしの目には「天国」と書かれているようにしか見えなかった。
ああ、助かったぁ!と思い、天国へと急いだが、 実はこれが「地獄」への入り口だったのだ。。。

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