■ - Vol22. 天国へようこそ -

このとき、旅の疲れもあってカゼは悪化していて、扁桃腺はあいかわらず絶好調に 腫れあがっていたが、残念なことに鼻はつまっていなかったので、ますます具合が 悪くなってきた。
その上冷房がガンガンに効きすぎて、めちゃめちゃ寒い。
一応七部袖のパーカーを1枚だけ持っていたが、安宿だけにブランケットはなく、 凍え死にそうなくらい寒かった。(ちなみに6月だったが、外は日本の7月くらいの気温だった)

そこで、バックパックからとりだしたのが「トラベルブランケットぉ!」(←ドラえもん風に読んで 下さい) 旅行会社の旅行用品の部署にいたときに旅行用品をいろいろもらって、かなり重宝してるが そのうちのひとつ。
一応宣伝文句は「これ一枚で毛布3枚分の温かさ」だが、期待させると いけないので、まあ1枚分くらいということに。
アルミっぽい材質なのでカシャカシャうるさいのがたまにキズだが、たぶんこれがなかったら 凍え死んでいただろう。

しかし、問題は寒さより匂いだった。
咳しすぎて「オエ」となってしまうことがあるが、 咳した後に強烈な匂いにやられてほんとに「オエ」となってしまった。
次にバックパックからとりだしたのは「フレッシュコロン~!」(←ドラえもん風にお願いします) 一生懸命シーツにプシュプシュかけまくった。
しかし、努力のかいなく、すべてドリアン納豆の匂いに瞬く間にかき消されてしまった。

もはや、扁桃腺が腫れあがっているだけでなく、熱まででてきているようだった。
アウシュビッツのベッドに横たわりながら、やはり今日が「人生最後の日」だったか、 どのみち決まっていたことだったんだ。。。と思った。
恐らく朝目が覚めたときは本当の天国に いるかもしれない、などと思っているうちに眠りについていた。

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