■ - Vol4. 初の小汚い安宿体験 -
いいひとたちだなぁ、と感動しつつバーをあとにした。
シンガポールに着いて、真っ先に「う、うそつきぃ~!」と思ったのは、誰に対してかと言うと、
商社でタイとシンガポールに3年ずつ駐在していたことがあるという人が、
「ひとりで行くの?結構それは危険だなぁ。
日本人を狙った窃盗とかあるからね。
きれいな格好してるとお金持ってると思って狙われるから、小汚い格好してった方がいい。」
と言っていたので、言われたとおり、よれたTシャツにGパンにバックパック背負って
私は貧乏で小汚いバックパッカーですという顔(表情?)をして行ったのだ。
しかし、シンガポールの夜の街に着いてみると、めちゃめちゃきれいでおしゃれな格好した
シンガポーリアンが行き交い、かえってこんな小汚い格好して、誰が見ても旅行者風だと
とっても浮いてて目立つ。
しかも、はずかしい。
ついでに、旅行者らしき人が全く歩いてないので、余計目立つのだ。
まあ、でも
駐在員の奥様方がきれいな格好してお金持ち風に歩いていたら、狙われるだろうから
そうゆうことだったんだろうけど、私はたぶん金持ちそうな格好さえしなければ
小汚い格好しなくてもよかったんじゃないかと。。。
とりあえずいそいそと、同じ通りにある小汚いバックパッカーへと歩いた。
実は、ここに1つ宿があるのは通りがかったときに知っていたが、見るからに
小汚いしちょっとここは勘弁と思ってたのだ。しかし、あとはホテルしか見当たらず、
安いとこでも$70(シンガポールドルで1$=70円で計算すると5000円ぐらい)だった。
泊まる予定のバックパッカーは$30だったので、ちょっと高い。
それに翌朝早朝に
すぐバスに乗ってマレーシアに向かう予定なので、ほんとに寝るだけなのだ。
まあ、それならこの小汚いとこでもいっかと思い、思い切ってその安宿に泊まることにした。
部屋はバストイレなしのシングルで一泊$26だった。
1800円てとこ。
バックパッカーに入っても、旅行者らしき人はおらず、地元のおじさんやおばさんぽい人
しか泊まっていなかった。
個室は思ったよりはきれいだったが(※きれいではないが汚くはない)
トイレはすごかった。流れてないとかそうゆう問題で汚いのではなく、存在自体が
安宿の小汚いトイレで言葉では説明ができないすごさだが、出だしから、ああ、私
やっぱり汚いのってダメだ。。。とアジア大好きバックパッカーの友達の顔を思い浮かべ、
こんなのが平気なんて信じられない、私はダメだ。。。とすでにホームシック。
あと、9日も
あるのに、どうしよう、とりあえずここを一刻も早く出たいという気持ちでいっぱいだった。
翌日には、会社できれいな格好をしてきれいにお化粧している人たちの顔を思い浮かべ、
あの人たちには、想像もつかないだろうなこのトイレ。。。と思いながら、正反対の世界に
来ている自分がなんだかすごく不思議な気分だった。
シャワーももちろん小汚い安宿の
シャワーで、世の中には一生こんな小汚いシャワーを使うことなどない人もいるんだろうなぁ。。。
と思いながら、水しか出ないシャワーを急いであびた。