■ - Vol7. マラッカ行きのバスの中で -
マラッカ行きのバスに乗ると、隣りの席に座ったマレーシア人のかわいらしい女の子が
“Are you Japanese?”と声をかけてきた。
“Yes”と答えると、うれしそうに微笑んだ。
そこから会話が始まり、仲良くなってバスに乗ってる間中ずっとしゃべっていた。
彼女はジョホールバルの大学に通っている大学生で、大学のタームが終わったので、
マラッカのちょっと手前辺りにある実家へ帰るところだった。
日本人はすごく好きなのと言ってかばんから「ラブジェネ」のDVDを出して
見せてきた。お互い英語で会話していたが、通じないときは紙に漢字とか絵で書くと
100%会話が通じて、すごい面白かった。
すごく意外だったのは、マレーシアや香港、台湾などでは、日本人はすごく憧れの
存在で、日本に住んだことがあるとか、日本人の血が混じってるという人は自国では
すごくうらやましがられるという話だった。
オーストラリアに住んでた時はどちらかというとアジア人同志ライバル意識を
持ってる感じで、他のアジアの国の人は「日本人」と間違われると怒ると聞いていたし、
ツンツンした感じだったので(もちろん人にもよるけど私がもっていた印象)、
日本のドラマや芸能人が台湾でも人気があるというのは知っていたが、
日本人自体が憧れの存在になっているなんて全く知らなかったのだ。
どうやら例えてみると日本でいうフランス人的存在らしい。
つまり、東京在住の日本人の私は、日本でいう「パリ在住のフランス人」。
憧れのため息が聞こえてくる存在。
シンガポールのバーでとても親切で友好的だった3人の顔が思い浮かんだ。
ワーホリ時代オーストラリアに住んでいたときは、日本人という理由だけで、嫌な顔をされたり、
ぼったくろうとされたり、日本人て何なんだろうと真剣に悩んだこともあったが、
(今はかなり変わって、昔ほど差別はなくなってきてるようです)
ここでは、日本人という理由だけで、人に親切にされたり、憧れのまなざしで見られるのだ。
今までに味わったことのない感動だった。
このときほど日本人として生まれてきて本当によかった、
日本最高!
よっ、経済大国っ!と愛国心が芽生えたことはない。