■ - Vol21. アウシュビッツ -
ドアを開けると、白人の20代ぐらいの男前がベッドで本を読んでいて挨拶をかわした。
部屋は3人のみで、ベッドは2段ベッドが3つコの字に配置されていた。
もう一人韓国人の女の子がいたが、ちょっと入ってきたきりずっといなかった。
その理由はすぐにわかった。
な、なんとこの部屋はアウシュビッツの毒ガス室だったのだ。。。
匂いの元はイケメンからだった。
とりあえず、シャワーを浴びてきて、さっぱりしたところで寝ようと思ったが
やつの匂いは半端じゃなかった。
やつは2段ベッドの2階で入り口手前のベッドを確保しており、私は真ん中のベッドの下の段で
寝る準備をしていた。
すると、「もし電気を消した方がよかったら、全然いいからね。
本読んでるからって気をつかわないで」とイケメンが言ってきた。
性格は良さそうだったが、顔がよくて性格がよくても、そしてもしも彼がヨーロッパから
お忍びでやってきたお城に住む貴族の王子様だったとしても、そんなことはすべてかき消してしまうくらい嫌悪感のつのる匂いを放っていた。
表現するなら、マラッカで食べたドリアンを開いた状態で、10個と
納豆を30パック開いた状態で並べた、まさにマレーシアと日本のコラボ作品て感じ。
(※決して大げさな表現ではない)
推定1ヶ月はお風呂に入ってないに違いない。